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コラーゲンの経口摂取は効果が有るか?食べる効果は?サプリは?

ドラッグストアやネット通販などを見ていると、コラーゲン入りのドリンクやサプリメントを良く見かけます。これらのコラーゲンを経口摂取しても効果があるのかと、疑問に思われている方は多いのではないでしょうか。「意味なし」とか「効果なし」と言っている方もいますから。この疑問について論文を参照して、科学的な根拠を基にお答えしたいと思います。

コラーゲンとはなにか

まず初めに、コラーゲンとはなにか、ということについて説明していきます。コラーゲンは皮膚や骨などに存在しているたんぱく質の一種です。皮膚のぷるぷるとした弾力や、骨のクッション性などを生み出しています。そのため、何らかの原因により、コラーゲンの合成が上手くいかなくなると、皮膚の弾力が失われてシワなどを発生させたり、関節痛を引き起こしたりします。

コラーゲンは皮膚を構成している主なたんぱく質のですので、それを摂取することで美容に効果があるのではないかと考えられています。そのような考えから、食品や化粧品メーカーなどが商品の開発に乗り出し、ドラッグストアやネット通販などではコラーゲン入りのドリンクやサプリメントが多く販売されています。株式会社富士経済による調査では、コラーゲン市場は大きく成長しており、ヒアルロン酸やグルコサミンなど他の機能性成分よりも大きなマーケットを形成しています[1]

コラーゲンが消化・吸収される仕組み

コラーゲンの経口摂取が美容に効果があるのかどうかを検証する前に、ここではコラーゲンが消化・吸収される仕組みを見ていきましょう。

まず初めに一般的なたんぱく質の吸収の仕組みを見ていきます。炭水化物の消化は口の中から始まりますが、たんぱく質の消化は胃から始まります。ペプシンという酵素により、大ざっぱに分解されます。その後十二指腸でトリプシン等の酵素により、アミノ酸や、アミノ酸が2個結合したジペプチド、3つ結合したトリペプチドにまで分解され、吸収されます。

次に、コラーゲンの吸収の仕組みを見ていきます。コラーゲンもたんぱく質ですので、さきほど説明したのと同じ過程をたどります。一般的なたんぱく質と同様に胃や十二指腸で消化された後に吸収されます。他のたんぱく質と何ら変わりません。ここまで書くと、普通のたんぱく質と同じように消化・吸収されるのなら、コラーゲンを経口摂取しても効果がないのでは?と思われるかもしれません。これについては、以下でコラーゲンの種類別に詳しく検証していきます。

「コラーゲン鍋」を食べることは効果はある?

ここから、コラーゲンを経口摂取することで、シワを軽減したり、シミを少なくするなどの美容効果を得ることができるのか見ていきます。まず初めに「コラーゲン鍋」や豚皮、ゼラチンなどの食品に含まれているコラーゲンの効果について検証します。

皆さん「これを入れるだけでコラーゲンたっぷりの鍋ができる!」とか、「豚皮はコラーゲンだから食べると美容にいいよ!」などの謳い文句を聞いたことがあるのではないでしょうか。このように、コラーゲン入りのドリンクやサプリメントだけでなく、通常の食事としてもコラーゲンを取り入れる機会があります。このようなコラーゲンを食べることで、美容効果は期待できるのでしょうか。

初めに結論から申し上げますと、残念ながらこれら食品中に含まれるコラーゲンは、摂取したとしても美容効果は期待できません。理由はコラーゲンの分子量です。これらの食品に含まれるコラーゲンは分子量が大きいため、消化・吸収の過程で複雑に分解する必要があります。そのため、再度コラーゲンとして合成されることが期待できません。再度コラーゲンとして合成させるためには、Gly-Pro-HypやHyp-Proなどのコラーゲンに特有のアミノ酸配列を保持したまま吸収される必要があるからです。

このことは、ゼライス株式会社の研究者らが発表した論文にて報告されています[2]。コラーゲンを吸収しやすいように分子量を小さくした低分子のコラーゲンペプチドと、処理を施していない分子量の大きいコラーゲンとの、摂取後の血液中に現れるGly-Pro-Hypなどのアミノ酸配列を持ったペプチドの量を比較しました。その結果、低分子のコラーゲンペプチドを摂取した後ではそれらのペプチドが多く存在していましたが、高分子コラーゲンではほとんど存在していませんでした。

コラーゲン鍋や豚皮などに含まれるコラーゲンは、分子量の大きい高分子コラーゲンですので、食べたとしても美容効果は期待できないということになります。

コラーゲン入りドリンクやサプリメントの効果は?

さて、ここからはコラーゲン入りのドリンクやサプリメントを飲むことで、美容効果を得ることができるのか検証していきたいと思います。

こちらも結論からお話しますと、コラーゲン入りのサプリメントなどを摂取することで、肌の水分量を向上させるなどの美容効果を得ることが期待できます。これについては、以下の論文に根拠を求めることができます[3]

この研究では、25~45歳までの健康な日本人を対象にコラーゲンの美容効果について検証されました。対象者に魚鱗由来のコラーゲンペプチドを4週間にわたって摂取してもらい、その後の皮膚の水分量を測定しました。その結果、コラーゲンペプチドを摂取した人では、摂取していない人と比べて、皮膚の水分量が改善していることが分かりました。また、これはコラーゲンペプチドの量が多いほど顕著でありました。このことから、コラーゲンペプチドを摂取することで、皮膚の水分量を増やすなどの美容効果が期待できることが確認されました。

もう一つ、コラーゲンの経口摂取が美容に効果的である根拠をお示ししたいと思います。こらから紹介する研究は、40-59歳の女性33人を対象として行われました[4]。日本人を対象に、信頼のおける研究デザインで検証が行われており、先ほどご紹介した研究と同様の結論が出ています。初めに、33人の対象者を11人ずつの3つのグループに分けました。偽薬を与えられたグループ、魚由来のコラーゲンペプチドを与えられたグループ、豚由来のコラーゲンペプチドを与えられたグループの3つです。そして、8週間にわたり、それぞれに与えられたサプリメントを摂取させられました。

その結果、魚由来のコラーゲンペプチドを与えられたグループでは、8週間後に、ベースライン時の12%、豚由来のコラーゲンペプチドを与えられたグループでは、16%も皮膚水分量が増加していました。これはは、コラーゲンの摂取により、コラーゲンネットワーク(線維芽細胞とコラーゲンがしっかりと結びついた状態)が強化された結果だと考えられています。

結論として、コラーゲン入りのサプリメントを摂取した場合、皮膚の水分量を増加させるなどの美容効果を得ることができる、ということになります。分子量を小さくし、体内で効果を発揮しやすいように加工されたコラーゲンでは効果を期待することができます。

まとめ

最後にまとめます。経口摂取のコラーゲンにおいては、そのコラーゲンの性質によって効果が期待できるか否かは異なります。豚皮やゼラチンなどを食べる事から摂取するコラーゲンの場合は、効果を期待することはできません。これはコラーゲンの分子量が大きく、消化・吸収するために複雑に分解しなければならないからです。それに対して、そのままの形でも消化・吸収できるサプリメントなどに含まれたコラーゲンでは、摂取することで美容や健康の効果を得ることができます。吸収された後でも、再度コラーゲンとして生まれ変わることが期待できるためです。ぜひ、コラーゲンを選ぶ際の基準にしてください。