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コラーゲンの吸収は分子量が少ないペプチドが吸収率がよい

今回紹介するのはコラーゲンの吸収についてです。様々な情報が溢れているコラーゲンについて、科学的な根拠を基に、吸収のメカニズムやそれに影響する要因などについて解説しました。コラーゲンのサプリメントなどを選ぶ際に参考となる情報も紹介していますので、ぜひご覧ください。

コラーゲンとは

コラーゲンは人間の肌などを構成しているたんぱく質の一種です。ヒドロキシプロリンとヒドロキシリジンという他のたんぱく質には含まれていないアミノ酸を含んでいるのが特徴で、体にあるたんぱく質のおよそ30%をコラーゲンが占めるとされています

このコラーゲンを溶かしたものがゼラチンで、ゼラチンを細かく分解したものがサプリメントや化粧品などに使われているコラーゲンの正体です。

コラーゲン吸収のメカニズム

コラーゲンはたんぱく質ですので、胃や十二指腸で消化された後に吸収されます。ペプシンやトリプシン、アミノペプチダーゼといった酵素の働きにより、アミノ酸や、アミノ酸が2・3個結合したジペプチド、トリペプチドのレベルにまで分解され、吸収されます。

こんなことを聞くと、コラーゲンを口から摂取しても意味がないのでは?と思われるかもしれません。しかし、そうではないのです。先ほどコラーゲンには、ヒドロキシプロリンなどのコラーゲンにしか含まれないアミノ酸が存在すると説明しました。実は、この消化・吸収された後のジペプチドやトリペプチドにも、このヒドロキシプロリンが含まれているのです。

これについては2007年に人を対象とした研究で報告されています1)。これは5人の健康な男性を対象に行われた研究で、コラーゲンを経口摂取してもらい、その後24時間にわたって血液中のヒドロキシプロリンと、ヒドロキシプロリンを含むペプチドの量を測定しました。その結果、血液中にはヒドロキシプロリンを含むペプチドが全体のペプチドのおよそ30%にも達したとのことです。つまりこれは、コラーゲンは複雑に分解されて、それがコラーゲンであったことの痕跡も残らないような状態で吸収されるのではなく、またコラーゲンとして作り直しやすい形として吸収されていることを意味します。ですので、コラーゲンを経口摂取しても、他のたんぱく質と同じようなアミノ酸やペプチドになるのではなく、再度コラーゲンとして生まれ変わることが期待できるのです。

コラーゲンはその由来によって吸収率が異なる

先ほどご紹介した研究1)では、魚鱗と豚皮由来のコラーゲンペプチドが使用されていました。その2つのコラーゲンの血中へ移行した量を比較した結果、魚鱗由来のコラーゲンは豚皮由来のコラーゲンのおよそ1.5倍も高かったとのことです。これはコラーゲンの分解の容易性が関係していると考えられます。コラーゲンは分子量が多く、きちんと消化しないと速やかに吸収されません。先ほど紹介した研究でも、消化の難しいコラーゲンは、摂取した4時間後にトリペプチドとして血中に現れてきたことを報告しています。ですので、吸収の良いコラーゲンを選ぶためには、消化のされやすいコラーゲンを含んだ魚鱗由来のコラーゲンを選ぶのが良いと考えられます。

ビタミンCはコラーゲンの吸収を高めるのに効果があるのか

ビタミンCはコラーゲンを作り出すのに必要な栄養素です2)。ビタミンCが不足してしまうと十分な量のコラーゲンを作ることができなくなるので、歯茎や皮膚から血が出てしまう壊血病という病気になってしまいます。

しかし、コラーゲンと同時にビタミンCを摂取することと、コラーゲンの吸収を良くし、コラーゲンの美容効果を高めることとは明確な関係が示されていません。コラーゲンのサプリメントと一緒に、低容量のビタミンCを摂取することの肌質改善効果を確かめた研究3)では、コラーゲン単体での肌質改善効果はあったことを認めているものの、ビタミンCによる追加効果は否定しています。コラーゲン単体で摂取した場合と、コラーゲン+ビタミンCで摂取した場合の肌質改善効果を比較した結果、統計学的に有意な差が観察されなかったためです。この研究は吸収率そのものを比較したものではありませんが、肌質改善効果をその代理指標とするのであれば、ビタミンCによる明確な効果は確認できなかったと言えるでしょう。

上記のようになった理由は、ビタミンCがすでに必要量摂取できていたことに関係していると考えられます。上記の研究の参加者は、大学からの呼びかけに応じたボランティアです。このようなボランティアは一般に健康意識が高く、食事にも気を使っている人々である場合が多いので、コラーゲンの生合成に必要なビタミンCは充足できていたと考えられます。その結果、ビタミンCを追加で摂取しても、それによる追加の効果は現れなかったと考えられます。ですので、通常の食事から摂取するビタミンCが不足している人を研究の対象とした場合は、また違った結果になる可能性は否定できません。

低分子コラーゲンの方が高分子コラーゲンよりも吸収が良い

低分子コラーゲンは高分子なコラーゲンよりも吸収が良いことが知られています。これは2016年の3月に発表された論文において報告されました4)。

分子量というのは、1つの箱に何個の玉が入っているか、と例えられます。1つの箱にたくさんの玉が入っていると高分子、少ないと低分子です。コラーゲンにおいては、高分子コラーゲンを分解したものが低分子コラーゲンであると考えていただいて差し支えありません。コラーゲンを分解し、吸収しやすくしたのが低分子コラーゲンです。

上で紹介した研究では、高分子コラーゲンと低分子コラーゲンとで、摂取した後の血液中および尿中に含まれるヒドロキシプロリンの量を比較しました。その結果、血中でも尿中でも、低分子コラーゲンの方が高分子コラーゲンよりもヒドロキシプロリンの量が多かったという結果が得られました。つまり、低分子コラーゲンの方が吸収が良かったということになります。コラーゲンを選ぶ際は、低分子のものを選ぶと良さそうです。

まとめ

今回はコラーゲンの吸収について、その基本的なメカニズムや、由来による吸収率の違い、栄養素や分子量の影響などをご紹介しました。以上をまとめると、吸収の良いコラーゲンの特徴としては、魚鱗由来であること、低分子であること、となります。ぜひ参考にしてください。