コラーゲンとプラセンタの栄養と効果の違いを比較

コラーゲンとプラセンタは、よく混同される成分です。しかし、実はこの2つは、成分や機能が全く異なるのです。今回は、そんなコラーゲンとプラセンタについて、2つの違いや摂取した場合の効果について解説していこうと思います。

プラセンタとは?

「胎盤」という意味を持つ

プラセンタは、「胎盤」という意味を持ちます。胎盤というのは、赤ちゃんを妊娠した時に胎児が育っていく場所のことで、赤ちゃんに栄養素を届けたり、赤ちゃんに酸素を送ったりといった働きをしています。

中国やベトナムの一部地域では、出産した後に自らの胎盤を食べる習慣があるそうです。胎盤に、たくさんの栄養素が含まれているという考えからです。また、イタリアの一部地域においても、十分に栄養を補給して授乳するために、胎盤の一部を食べることが知られています。栄養価の高い食品として、昔から知られていたことを示しています。

サプリメントや化粧品として一般的に販売されているプラセンタは、そんな胎盤から効果のある成分を抽出して作られます。これには、様々な栄養素や、細胞の増殖などを助けてくれるとされる成長因子(グロースファクター)などが含まれています。ただし、当然のことと思われるかもしれませんが、このプラセンタは人間の胎盤を由来とするものではなく、豚や馬などの動物由来のものです。人間の胎盤由来のプラセンタもありますが、医療用のみ使用されており、美容目的では摂取できません。以下で、プラセンタの種類については詳しく説明します。

多くの種類がある

プラセンタには、多くの種類があります。主なものとしては、豚・馬・羊・人の胎盤を由来とする4種類が流通しています。

このうち、豚由来のプラセンタが最も一般的に使用されています。豚の出産回数が多く、また一度の出産の回数も多いため、作り出される胎盤の量が多いからです。馬や羊由来のプラセンタも流通はしていますが、コスト面で割高になるため、その流通量は多くありません。ただし、やはり高品質なものが多いため、効果は豚由来のプラセンタよりも高いことが多いようです。また、人由来のプラセンタも存在はしていますが、医薬品としての使用に限定されるため、美容の用途などのために利用することは出来ません。

コラーゲンとプラセンタとの違いとは?

成分が異なる

プラセンタとコラーゲンとでは、成分が異なります。胎盤は、たんぱく質や、その分解物であるペプチド、DNAやRNAなどの遺伝情報を含む核酸、ムコ多糖類であるグルコサミノグルカンなどを含み、その胎盤を由来とするプラセンタは、様々な酵素やビタミン、アミノ酸などを含んでいます。

それに対してコラーゲンは、純粋なたんぱく質です。1000個程度のアミノ酸が結合したペプチド鎖3本が、らせん構造をとることによって構成されています。つまり、プラセンタとコラーゲンは、含まれる栄養素が全くといってよいほど異なるといえます。

機能が違う

プラセンタとコラーゲンとでは、体内で存在するときの機能も異なりますし、食べた後の機能も異なります。プラセンタは、もともとは体内で胎盤として存在していた成分なので、核酸などの遺伝情報や、子どもに与えるための栄養素を含んでいます。プラセンタを摂取した場合は、この栄養素を補給することができます。これこそがプラセンタを摂取することで得られる最大の利点なのです。

それに対してコラーゲンは、皮膚や骨などに存在している成分です。特に皮膚の内側の部分である真皮では、その構造の約70%がコラーゲンであるほどです。つまり、コラーゲンは皮膚の構造に深く関わっているのです。そのため、コラーゲンを摂取した後は、皮膚の成分として再度合成されるように働きます。つまり、摂取した後は皮膚の環境を正常化させるために働くということです。

このように、プラセンタとコラーゲンとでは、体内に存在している時の機能も異なりますし、口から摂取した場合の働きも異なります。プラセンタとコラーゲンは全く違う成分なのです。

プラセンタとコラーゲンの効果は?

プラセンタだけを摂取する場合

ここからは、プラセンタを経口摂取した場合に得られる、美容効果について紹介していきます。注射での投与であれば創傷治療などに効果があると言われているプラセンタですが、経口摂取した場合の効果はどうなのでしょうか。

プラセンタのもつ美容効果については、マウスを対象にした実験において示されています[1]。この研究では、紫外線を照射したマウスにおいて、プラセンタを摂取させることによる皮膚の水分量の変化や、メラニンの産生量、シワの深さなどを測定しています。

皮膚の水分が不足して、乾燥してしまうと、それがシワの原因になったりします。皮膚の水分量を維持することは、美容において非常に重要なポイントです。皮膚の水分量については、紫外線照射によってマウスの水分量は失われましたが、その減少量はプラセンタを投与されたマウスの方が、投与されなかったマウスよりも少なかったとのことです。これは、プラセンタが水分を保持する機能があることを示唆しています。

次に紫外線照射により産生されたメラニンの量についてです。メラニンはシミの原因になりますので、プラセンタを摂取することで産生が予防できたら嬉しいですよね。これについても、プラセンタを摂取することでメラニンの産生を予防することが出来ていました。プラセンタを摂取していなくて、また紫外線も浴びていないマウスで産生されたメラニンの量が、プラセンタを摂取して、紫外線を浴びたマウスのメラニンの量と変わらなかったのです。これは、プラセンタにメラニンの産生を予防する効果があったためと考えられます。

最後に、シワの深さについてご紹介します。美容に強い興味を持たれる方にとっては、シワは最大の関心事ではないでしょうか。そんなシワの深さを、プラセンタを摂取することで減らすことが出来たのでしょうか。紫外線を浴びたことにより、マウスのシワの深さは増加しました。問題はその増加が、プラセンタの摂取によりどれだけ抑制できるかです。紫外線を照射されたマウスのうち、プラセンタを摂取したマウスと摂取しなったマウスとのシワの深さを測定しました。その結果、プラセンタを摂取したマウスのシワの方が浅かったのです。つまり、これはプラセンタを摂取することにより、紫外線によるシワの形成を抑制できたということを示しています。

プラセンタとコラーゲンの両方を摂取する場合

そんな美容への効果の高いプラセンタですが、コラーゲンと同時に摂取することで相乗効果を期待することはできるのでしょうか。残念ながら、これについての論文は発見できませんでした。しかし、コラーゲンに関する様々な知見をレビューした論文では、コラーゲンの経口摂取は、皮膚に対する効果が存在することを紹介しています[2]。そのため、コラーゲンを摂取することは、皮膚の環境を改善し、美容にも良い効果が期待できると考えられます。また、プラセンタも同様に美容に良い効果の期待できる成分です。そのため、お互いがお互いを高め合う相乗効果が期待できるかといえばそれは不明な点も多いですが、同時に摂取して効果が相殺されるとは考えにくいと思います。同時に摂取することで、単体で摂取する以上の美容効果を得ることができると考えた方が自然でしょう。

まとめ

今回は、プラセンタとコラーゲンとの違いに着目して解説しました。プラセンタとコラーゲンは良く混同される成分ではありますが、それらの持つ栄養素や、機能などは全く異なります。しかし、両方とも、摂取した場合に美容に良い効果が得られるという点では共通しています。サプリメントやドリンクなどで、両方とも一緒に摂取すると良いと思います。

参考文献

[1] Hong, Ki-Bae, et al. "Effects of porcine placenta extract ingestion on ultraviolet b-induced skin damage in hairless mice." Korean Journal for Food Science of Animal Resources 35.3 (2015): 413.

[2] Gómez-Guillén, M. C., et al. "Functional and bioactive properties of collagen and gelatin from alternative sources: A review." Food Hydrocolloids 25.8 (2011): 1813-1827.