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マリンコラーゲンの特徴と効果について

マリンコラーゲンをご存じでしょうか?これは魚などの海洋生物由来のコラーゲンのことです。牛や豚などから作られる動物性コラーゲンとは性質が異なります。ここでは、そんなマリンコラーゲンの動物性コラーゲンと比較した場合の特徴や、摂取した場合の効果などについて紹介していきます。

マリンコラーゲンとは

まず初めに、マリンコラーゲンとはなにか、といった点についてご紹介したいと思います。

一括りにされることの多いコラーゲンですが、実は大きく2つの種類に分けることができます。動物性コラーゲンと海洋性コラーゲンです。牛や豚などの動物に含まれるコラーゲンを動物性コラーゲン、魚などの海洋生物に含まれるコラーゲンを海洋性コラーゲンと言います。

名前からも明らかだと思いますが、このうち、海洋性コラーゲンが今回紹介するマリンコラーゲンに該当します。魚以外の海洋生物から作られたコラーゲンもマリンコラーゲンといいますが、一般的に魚の鱗や皮などから作られたコラーゲンをマリンコラーゲンということが多いようです。これは流通している海洋性コラーゲンのほとんどが魚由来であることに関係しています。フィッシュコラーゲンとか魚由来コラーゲンなどもマリンコラーゲンに該当します。

マリンコラーゲンは、牛や豚などを原料とする動物性コラーゲンと比べて、吸収されやすいのが特徴で、サプリメントや化粧品などに幅広く応用されています。

動物性コラーゲンとの違い

アミノ酸組成

動物性コラーゲンとマリンコラーゲンとではアミノ酸組成が異なります。以下に、動物性コラーゲンとマリンコラーゲンとのアミノ酸組成の違いを示しました[1]

Carfと書かれている方を動物性コラーゲン、Fsihをマリンコラーゲンと見なして解説を行います。HypとかAspというのがアミノ酸の種類のことで、たとえばHypであればヒドロキシプロリンというアミノ酸を示しています。動物性コラーゲンとマリンコラーゲンとを比べてみると、マリンコラーゲンではHyp(ヒドロキシプロリン)やPro(プロリン)などのイミノ酸に分類されるアミノ酸が動物性コラーゲンよりも多いことがわかります。HypとProを合計してみると、動物性コラーゲン、マリンコラーゲンでそれぞれ215と163で、動物性コラーゲンのほうががおよそ1.5倍もあることがわかります。

コラーゲンは3重らせん構造を取っており、この構造を安定化するためにHypやProが関係しています。コラーゲンを強くするアミノ酸であると言ってもいいでしょう。そして、このアミノ酸が動物性コラーゲンで多く、マリンコラーゲンで少なかった。これが意味しているところはコラーゲンの加工や分解の容易性にあります。構造が安定でなければ加工や分解がしやすいというのは当然のことでしょう。加工や分解がしやすいと、様々な製品に応用しやすいですし、体内に入った場合でも速やかに消化・吸収ができるようになるのです。

吸収

先でも少し説明しましたが、動物性コラーゲンとマリンコラーゲンとでは吸収の効率が異なります。結論からいうと、マリンコラーゲンの方が動物性コラーゲンよりも吸収が良くなります。これは分子量の大きさなどが関係していると考えられます。

このことを裏付ける論文が2007年に「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されています[2]。この研究では、5人のボランティアを対象として、由来の異なるコラーゲンを摂取させた後の、血液中に存在するコラーゲン分解産物の量を比較しています。コラーゲンの種類は3つ、豚由来のコラーゲン、魚の皮由来のコラーゲン、魚の鱗由来のコラーゲンです。ボランティアは12時間の空腹の後に、これら3つの由来からなるコラーゲンを別々の機会に摂取しました。その結果が次のようなグラフで表されています。

(A)と示された方はHyp単一の血中濃度を、(B)と示された方はHypを含むペプチドの血中濃度をそれぞれ表しています。先ほども説明しましたが、Hypはコラーゲンに特異的に見られるアミノ酸です。ですので、血液中に存在するHypを測定することで、コラーゲンがどれだけ正常に血液中に移行できたかを観察することができるのです。グラフに表された■は魚の鱗由来のコラーゲンを摂取した場合、□は魚の皮由来のコラーゲンを摂取した場合、△は豚由来のコラーゲンを摂取した場合の血中濃度を示しています。

結果を見てみると、動物性コラーゲンである豚由来のコラーゲンを食べた時よりも、マリンコラーゲンである魚の鱗由来や魚の皮由来のコラーゲンを食べた時の方が血中のHypやHpを含むペプチドの濃度が高いことがわかります。これはマリンコラーゲンの方が動物性コラーゲンよりも吸収が良かったということを意味しています。コラーゲンを摂取して何らかの健康効果を得るためには、動物性コラーゲンよりもマリンコラーゲンの方が効果がありそうだということがわかりました。

摂取する方法は?

食事から摂取する

マリンコラーゲンを摂取するための方法として、食事から摂取する方法があります。ただ、一般的な食生活では、マリンコラーゲンの摂取量はそれほど多くないようです。日本人女性を対象にして、食事中に含まれるコラーゲン量を推定した研究[3]によると、摂取したコラーゲンの6割以上が豚肉などの動物性コラーゲン由来だったそうです。つまり、通常の日本人の食生活だと、コラーゲンの摂取が動物性コラーゲンに偏りがちだということです。

動物性コラーゲンよりも、魚などに含まれているマリンコラーゲンの方が吸収の面でメリットが多いので、魚類などの摂取頻度をさらに増やす必要があります。また、魚類でも皮付きの方が含まれているコラーゲンが多かったということがこの研究では示されています。ですので、食事からマリンコラーゲンを摂取する場合は、皮ごと魚を食べると良いでしょう。

サプリメントやドリンクとして摂取する

サプリメントやドリンクとしてコラーゲンを摂取する方法もあります。これらに含まれるコラーゲンは、熱処理などにより、通常のコラーゲンよりも分子量を小さくしたものが一般に用いられています。コラーゲンの吸収は、分子量が小さいほど良いとのデータがあるためです。そのため、食事から摂取するよりも、より効率的にコラーゲンを摂取することが期待できます。

マリンコラーゲンの効果

ここからは、マリンコラーゲンを摂取した場合の効果について解説していきます。マリンコラーゲンを摂取させた場合の、乾燥肌改善効果についての論文が2009年に発表されています[4]

この研究では、日本人女性を対象として、マリンコラーゲンの乾燥肌改善効果について検討しています。対象者を、プラセボ薬を摂取し対照群となるグループ、マリンコラーゲン2.5g/日を摂取するグループ、マリンコラーゲン5.0g/日を摂取するグループ、マリンコラーゲン10g/日を摂取するグループの4つに無作為に割り当てました。そして、毎日それぞれのサンプルを摂取してもらい、4週間後の乾燥肌改善効果を比較しました。その結果、4週間後の乾燥肌改善効果は、マリンコラーゲンを摂取したグループが有意に高く、またその量が多くなればなるほど効果が高くなっていました。つまり、1日に5gのマリンコラーゲンを摂取するよりも、10g摂取した方が乾燥肌改善効果が高かったのです。

さらに、この研究では、豚皮コラーゲンの乾燥肌改善効果も検討していますが、こちらに関しては、統計学的に意味のある変化は認められなかったとのことです。これは、豚皮コラーゲン、つまり動物性コラーゲンを摂取した場合では効果を得られなかったということを意味しています。これらの結果から、動物性コラーゲンを摂取した場合では十分な効果が得られないが、マリンコラーゲンを摂取した場合では効果を得ることができるということが示されました。

まとめ

今回はマリンコラーゲンの特徴や、効果などについてご紹介しました。牛や豚などを原料とする動物性コラーゲンよりも、より高い効果が期待できそうです。参考にしてください。

参考文献

[1] Giraud-Guille, Marie-Madeleine, et al. "Structural aspects of fish skin collagen which forms ordered arrays via liquid crystalline states." Biomaterials 21.9 (2000): 899-906.

[2] Ohara, Hiroki, et al. "Comparison of quantity and structures of hydroxyproline-containing peptides in human blood after oral ingestion of gelatin hydrolysates from different sources." Journal of agricultural and food chemistry 55.4 (2007): 1532-1535.

[3] 野口知里, 小林身哉, and 小山洋一. "20 代から 50 代日本人女性における食事由来コラーゲン推定摂取量の特徴." 栄養学雑誌 70.2 (2012): 120-128.

[4] 大原浩樹, et al. "コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角層水分量の改善効果." 日本食品科学工学会誌 56.3 (2009): 137-145.