コラーゲンの美肌効果について

コラーゲンの美肌効果については様々な意見があります。効果があるとする意見も無いとする意見もあります。どちらが本当なのでしょうか。以下では、コラーゲンを摂取することで得られる美肌効果について解説するとともに、効果的なコラーゲンの摂取方法についても紹介していきます。

コラーゲンの果たす肌での役割

コラーゲンは肌の真皮層にある

コラーゲンの肌への効果を紹介する前に、コラーゲンが肌で果たしている役割についてご紹介します。コラーゲンは肌の真皮層に存在しているたんぱく質です。肌は表皮→真皮→皮下組織という風に分かれており、表皮が一番表側、皮下組織が内側です。このうちの真皮層にコラーゲンは存在しています。また真皮層にはコラーゲンの他にも、エラスチンやヒアルロン酸といった成分が含まれています。エラスチンはコラーゲンを結束バンドのようにまとめ、強度を高くする役割を果たしており、ヒアルロン酸はコラーゲンとコラーゲンとの間を埋め、水分を保持する働きをしています。

美肌のためにはコラーゲンを補給することが重要

コラーゲンは、肌を内側から支える役割を担っています。そのため、加齢などにより真皮層に存在するコラーゲンが減少してしまうと、肌を支えるものが減ってしまうため、シワなどの原因になってしまいます。減少してしまったコラーゲンを補給することが美肌のためには重要になるのです。

コラーゲンの肌への効果

コラーゲンを摂取することで、皮膚の形成が促進されます。これについては、豚を対象として研究が行われています[1]。この研究では、コラーゲンの摂取が皮膚の形成にどのように影響するのかを観察するために、3つのグループを設定して実験しています。コラーゲンを摂取するグループと、コラーゲンの代わりとしてラクトアルブミンを摂取するグループ、それと何も摂取しないグループです。

なぜラクトアルブミンを摂取するグループを設定するのかというと、コラーゲンがたんぱく質であることに関係しています。皮膚はたんぱく質で出来ていますので、コラーゲンを摂取して皮膚の形成が促進されたとしても、それがコラーゲンの効果によるものなのか、たんぱく質を摂取した効果によるものなのかが分かりません。

ですので、たんぱく質による影響を考慮するために、同じようにたんぱく質であるラクトアルブミンを摂取させるのです。ラクトアルブミンの皮膚への影響は、たんぱく質としての効果以上にはありませんので、このグループとコラーゲンを摂取したグループとの結果を比較することで、コラーゲンの皮膚への影響を正しく測定することが出来るのです。

3つのグループに分けてそれぞれのサンプルを62日間にわたって摂取させました。その結果が次の表です。

3つ並んだグループのうち、左からコラーゲンやラクトアルブミンを摂取しなかったグループ、ラクトアルブミンを摂取したグループ、コラーゲンペプチドを摂取したグループです。項目名は、上から真皮の厚さ、線維芽細胞の密度、コラーゲン繊維の直径、コラーゲン繊維の密度、コラーゲン繊維インデックス、グリコサミノグリカン組成の割合、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸をそれぞれ示しています。

数字についている記号は、*が何も摂取しなかったグループとコラーゲンペプチドを摂取したグループとで統計学的に有意な差が見られたことを、#はラクトアルブミンを摂取したグループとコラーゲンペプチドを摂取したグループとで統計学的に有意な差が見られたことを示しています。

上の表を見てみると、線維芽細胞の密度と、コラーゲン繊維の直径および密度、コラーゲン繊維インデックスでコラーゲンペプチドの方がその他のグループよりも統計学的に有意に高かったことが分かります。

線維芽細胞というのは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの、皮膚の真皮の部分を構成している成分を作り出す細胞のことです。この細胞の密度が、コラーゲンペプチドを摂取することで増加していました。皮膚というのは、絶えず新陳代謝しなければなりません。古い皮膚を分解し、再度合成する必要があるのです。線維芽細胞が増加するということは、肌の新陳代謝が良くなり、美容にも良いということも意味しているのです。

また、コラーゲンを摂取することで、コラーゲン繊維の直径や密度が増加していました。コラーゲンを食べることで、皮膚のコラーゲン量も増えたのです。

さらに、コラーゲン繊維インデックスも増加していました。これは、コラーゲンの占める細胞外マトリックスでの割合を示しており、これが高いと、より強度の高い皮膚が作り出されたことを意味しています。この値に関しても、コラーゲンを摂取することで増加していました。

以上より、コラーゲンを摂取することで肌への効果があることが明らかになりました。皮膚を作りだす線維芽細胞の密度も高くなり、コラーゲン繊維自体が大きくなり、皮膚の強度も増加していました。皮膚の状態を良くし、美容にも効果が期待できます。

コラーゲンの摂取の仕方

食事からの摂取では効果が期待できない

コラーゲンを摂取して美肌効果を期待する場合、通常の食事からの摂取ではいけません。皆さんが食事からコラーゲンを摂取しようとするとき、豚皮やフカヒレなどを食べることを思いつかれるのではないでしょうか。しかし、これらの食品に含まれるコラーゲンを摂取しても美肌効果は期待できません。その理由はコラーゲンの消化・吸収のしやすさに関係しています。

豚皮やコラーゲンに含まれているコラーゲンは、とても大きなものなので、消化や吸収に多くの時間が必要になります。その過程で必要以上に細かく分解されてしまったり、吸収が上手くいかなかったりするのです。下のグラフを見てください。

このグラフは、2016に発表された、コラーゲンの効果を分子量別に測定した研究から引用したものです[2]。コラーゲンが正常に消化・吸収されると、血液中にGly-Pro-Hypなどといった特有のアミノ酸配列をしたペプチドがあらわれてきます。このペプチドが後にコラーゲンとして再合成されるのですが、それら特有のアミノ酸配列を持ったペプチドが血液中に移行した量をあらわしたのが右側のグラフです。分子量の大きいコラーゲン(Collagen Peptide)を摂取した場合では、それらペプチドが血液中にはほとんど移行していません。つまり、分子量の大きいコラーゲンを摂取したとしても、美肌効果は期待できないということになります。

サプリメントやドリンクから摂取する

では、どのようなコラーゲンなら美肌効果を期待できるのでしょうか。実はコラーゲンを摂取して美肌効果を得るためには、摂取するコラーゲンは分子量の小さなものである必要があるのです。先ほど示したグラフのCTP-100とCTP-50を見てください。これらは分子量の小さなコラーゲンで、摂取した場合にペプチドが血液中に移行していることがおわかりいただけるかと思います。これは、分子量の小さなコラーゲンを摂取した場合では、分子量の大きなコラーゲンを摂取した場合と違って美肌効果を得ることができるということを示しています。

このような分子量の小さなコラーゲンは、通常の食べ物中には含まれていません。人為的に作り出す必要があるのです。そうして作られた分子量の小さなコラーゲンは、サプリメントやドリンクに添加されていますそのため、コラーゲンを摂取して美肌効果を得るためには、低分子化したコラーゲンが含まれているサプリメントやドリンクなどを摂取する必要があるのです。

まとめ

今回は、コラーゲンの美肌効果について紹介すると共に、効果を得るための摂取の仕方について紹介しました。コラーゲンには、皮膚の形成を促進する効果があり、その効果を得るためには分子量の小さなコラーゲンを摂取する必要があります。分子量の小さなコラーゲンはサプリメントやドリンクに含まれていますので、美肌効果を得るためにはそれらを摂取するようにしましょう。

参考文献

[1] Matsuda, Naoya, et al. "Effects of ingestion of collagen peptide on collagen fibrils and glycosaminoglycans in the dermis." Journal of nutritional science and vitaminology 52.3 (2006): 211-215.

[2] Yamamoto, Shoko, et al. "Absorption and Urinary Excretion of Peptides after Collagen Tripeptide Ingestion in Humans." Biological and Pharmaceutical Bulletin 39.3 (2016): 428-434.